『利用用途の幅広さとその需要』
- オリジナルボトルを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
弊社はカスクオーナーシップという自分でウイスキーの樽を持てるという事業を行っており、売買の中でもお客様にウイスキーを楽しんで欲しいという思いから今回作成に至りました。また、”ボトリングサービス”と呼ばれる、お客様自身がウイスキーのボトルをデザインできるサービスにおいてサービスを提供する前に自分たちで体験してみるというモットーも含め作成しました。現在では海外の提携先やお客様とのコミュニケーションの一環としても使用しています。
実はこのボトリングサービスを知ったきっかけはウイスキー好きのお客様からの提案で、その需要を知りました。
初めてボトリングを知ったときはその自由さにまず驚きました。ラベルだけでなく、ボトルやコルクの形、加水(原酒に水を加えてアルコール濃度を下げる過程)まで自分で調節ができ、ウイスキーが濁るのを阻止したい場合はチルフィルターという技術を用いたり、風味や味の特徴をしっかりと残したいのでフィルターは施さないなどと言った細かいところまでアレンジが出来ました。今まで知らなかったウイスキーの知識が増えたと共に色々な用途に発展して使えるウイスキーの魅力がさらに広がったように感じました。
初めはボトリングに対する知識がなく、いつ何をするのかなど全て一からの模索となったのが1番の不安でした。また、海外からの輸入ということもあり、通関や空港に届いた後に郵送する手続きに苦労しました。2回目のボトリングでは工程がわかっていたので前倒しでスムーズに作業を進めることができ、とても安心しました。
『思いをかけたボトル』
- 今回作成したオリジナルボトルのこだわりを教えてください。
弊社が行っている事業の中で初めてのボトリングということもあり、シグネチャーになるものを今回作成しました。
デザイナーの方に何個かボトルデザインを提案していただき、その中で直感的に良いと感じたボトルデザインと味に決めました。今回のボトルは全体的に大きく丸みを帯びており、雰囲気やデザインが伝統的なものに比べ、新しい形状とになっています。ずっしりとした愛嬌のある形にしてみました。このウイスキーの特徴として樽から抽出したウイスキー本来の色と冷却炉化(チルフィルタリング)をしていない点がこだわりです。こうすることで沈殿物などは除ききれないものの、ウイスキーそのものの風味をお楽しみいただけるようにしてあります。
ウイスキー好きのみに向けたサービスではなく、ボトリングの多様性からデザイナーやコレクター、今までウイスキーに親近感がなかった方々にも向けウイスキーに触れるきっかけ作りになると思います。これを通じて他の分野にも広めながら、受け取った人が飲んでみようという意欲につながるようなことを広めていきたいともいます。
『これからのボトリングのポテンシャルに期待』
- オリジナルボトルを初めて手に取った時の感想を教えてください。
ボトルの形が他にはない新しい形だったので当初予定していた首の部分のデザインが発送上問題があり、不可能になってしまったのですが新しいデザインに変更し届いた時は安心と共に感動しました。
弊社のビジョン「造り手、繋ぎ手、飲み手を繋げる」というのを掲げていますが、このボトリングはその言葉に凄く意味を為すことだと思います。私自身、売買する商品としてしか見られない部分に寂しさを感じる事がありましたが、ウィスキー事業に携わっている者としてボトリングの過程を知れたことは、より良いウイスキーのストーリーを続けていきたいと改めて感じるきっかけになりました。
- 最後にボトリングの魅力を教えてください。
世界に一つだけの物、一点物が作れるという点で凄く魅力的なサービスだと思います。是非お勧めしたいサービスで、送る相手に思いを伝えられるという点や一人一人が持つその感情をウイスキーが表現してくれるのかなとも感じます。