ボトリングサービスでは、日本未入荷のウイスキーを取り寄せることもできます。日本に初上陸となるウイスキーを自分でデザインし楽しむことが可能なサービスは、さまざまな用途にご利用いただいています。
今回は新宿のバー「BAR FIVE Arrows」がWhisky Cask Ownershipと共同で作成したオリジナルボトルへの想いと、ボトリングへのこだわりについて伺った。
インタビュー
好きな蒸溜所と関わりながら、バーとしての強みを得る
- BAR FIVE Arrowsとしては2回目のオリジナルボトリングですが、2回目のボトリングを試みた理由を教えてください。
今回は1回目に加えて、さらにお店としてのブランドを築くために新たなオリジナルボトルを作成しました。オリジナルボトリングは珍しい試みであるので、提供すると最初は驚かれる人が多かったです。しかし同時に面白がってもらえることも多々ありました。実際に、オリジナルボトルに興味を持ってご来店される方や、ボトリングサービスそのものに興味を持ってくださる方もいらっしゃいます。バーは業界的にお酒の入荷時期などが被りがちで、プロモーションも似てしまいます。そこで自分のお店独自の告知ができることは強みになると思います。
- ジェームズベイ蒸溜所のウイスキーを選ばれた理由は何ですか?
まずお客様にコーン100%のバーボンウイスキーを飲んでもらいたかったことがあります。更にジェームズベイは日本未入荷のウイスキーだったので、お店での特別感をより出せるという点も魅力でした。
そして何よりジェームズベイ蒸溜所が地元に根ざした味を追求している蒸溜所だという点に惹かれました。BAR FIVE Arrowsは新宿という街に寄り添ったバーでありたいと考えています。そこで同じポリシーを持つジェームズベイ蒸溜所に注目しました。
オリジナリティを表現したデザイン
- 今回のオリジナルボトルの特徴を教えてください。
ラベルが一番の特徴です。地元に根ざすという共通点から、ラベルは新宿の街をモチーフにしました。デザイン中央にモードタワーを描くことでBAR FIVE Arrows周辺の街並みを写しています。
また味の特徴としてはコーン特有のスッとした甘みと、アイリッシュウイスキーのような舌触りが滑らかなスパイシーさが挙げられます。総じて爽やかさの強いウイスキーです。BAR FIVE Arrowsではお食事も出しているので、爽やかさを活かしたハイボールなどでお食事と一緒にごくごく飲んでいただきたいですね。
そしてこの爽やかさをデザインにも活かすために、新宿の街並みの背景は青空を意識した水色にしています。バーは夜のイメージが強いですが朝8時の新宿の爽やかさを表現しました。
自分たちにしかできないサービスを提供する
- 今回のオリジナルボトルをバーでどのように提供していきたいですか?
ジェームズベイ自体が香り付けやチルフィルターを一切行っておらず、さらに割材なしで飲めることを追求したシッピングスピリッツとなっています。そのためストレートでコーン100%の素材の味を楽しんで欲しいです。ウイスキーに慣れていないお客様には、オールドファッションドのような元々持っている香りや甘みを活かしながらシロップで飲みやすくしたものや、爽やかさを活かしたハイボールを提供していきたいです。
そしてお食事との掛け合わせに挑戦してみたいという想いもあります。ケーキのスポンジにウイスキーを掛け合わせるお菓子があると伺ったことがあります。私はパティシエの経験があるので、独自のウイスキーを使ってそういったお菓子作りに挑戦することは憧れでもあります。
いずれにせよ、日本ではBAR FIVE Arrowsにしかないウイスキーを使って色々なことができるのは、強みでもあり、楽しさでもあります。
夢の広がるサービスに挑戦する
- オリジナルボトルの製作を考えている方々に向けて一言いただけますか?
他ではできない完全に自分だけの体験です。安いものではありませんし、取引先との連絡で時間がかかることもありますが、作った側に加えて受け取った側にも思い出を共有できる素敵な体験だと思います。特にバー業界は周年イベントを大切にしているので、記念として作るとより思い出に残るイベントになると思います。
また最初はわからない部分が多いと思いますが、調べていくほど夢が広がります。私が次にやるとすれば女性目線でもっと注文しやすいようなデザインや味のオリジナルボトルを作りたいですね。こうやって自分のやりたいことを実現できる自由度こそがボトリングサービスの強みです。